今月のイベント何着て行く?
MEN_JUL編

Text: KEISUKE KAGIWADA
Photo: ATSUSHI IKEDA, RYUTA ARAKAKI(CASK)

雨が続く憂鬱な時期だからこそ、どこかに出かけ気分を盛り上げたい。そんな時ってないですか? 「今月のイベント何着て行く?」では、アクアスキュータムのアイテムを纏って足を運びたい、注目の新作映画や展覧会を毎月ご紹介。メンズの7月編は、オープンカラーシャツと映画『青いカフタンの仕立て屋』を取り上げます。

 『青いカフタンの仕立て屋』は、民族衣装カフタンの仕立て屋を営む夫婦ハリムとミナ、そして、アシスタントの青年ユーセフをめぐるモロッコ映画。コードや飾りボタンなどで華やかに刺繍されたオーダーメイドのカフタンは、結婚式や宗教行事などに欠かせません。しかし、安価で手早く仕上がるミシン刺繍が普及した現在、手間のかかる手刺繍をほどこすカフタン職人は貴重な存在となっているそうです。

 本作はそんな消えゆく伝統工芸へオマージュを捧げるように、ハリムとユーセフが滑らかなシルクに一糸一糸に魂を込めて刺繍していく姿を、クローズアップを多用しつつ、繊細に映していきます。その眼差しは、妻に確かな愛情を覚えながら本当の自分を隠して生きる寡黙なハリム、重い病を患い夫の今後が心配でならないミナ、それぞれの心の葛藤へも同じく注がれます。本作自体がハリムの生み出すカフタンのように上品な空気感を纏っているのは、その繊細な眼差しゆえかもしれません。

本作は2022年カンヌ国際映画祭「ある視点部門」に出品され、国際映画批評家連盟賞を受賞しました

© Les Films du Nouveau Monde – Ali n’ Productions – Velvet Films – Snowglobe

 

青いカフタンの仕立て屋

期間_2023年6月16日(金)~終了日未定

https://longride.jp/bluecaftan/

 こんな映画を観る際に着て行くなら、オープンカラーシャツはいかがでしょう。ドレープ性に優れ、滑らかな肌触りの高級感溢れるレーヨン100%の生地、そこにほんのりと遊び心をプラスしてくれるリーフ柄のプリント、首元をすっきり見せてくれるオープンカラー……。この映画のような品の良さが伝わってくるデザインに仕上がっています。鑑賞後は、ハリムたちのようにカフェに立ち寄り、ミントティーを飲むなんていうのも良いかもしれません。このシャツはそんな風景にもしっくりと馴染んでくれるはずですから。

夏にぴったりの素材とデザイン

 地球に優しい再生素材のレーヨンを使用し、手洗いも可能。通気性や吸湿性に優れ、消臭効果もあるので汗の臭いが気になる夏にぴったりです。

 生地には、2023年春夏シーズンのテーマ「NATURES URBAN GARDENERS(ネイチャー アーバン ガーデナーズ)」に着想を得たリーフ柄をプリント。ブランドが誕生した英国ビクトリア時代の庭園がイメージソースで、4種の植物が繰り返されるパターンになっています。

 襟は夏らしいオープンカラー仕様。高級感がある素材なので、カジュアルになりすぎないのがポイントです。

Botanical Print Short Sleeve Shirt [2203226026] ¥28,600

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