竹久夢二と言えば、黒猫を抱く女性を描いた美人画「黒船屋」を筆頭に、センチメンタルな筆致でお馴染みの大正ロマンを象徴する画家。イラストレーションをはじめ、水彩画、油彩画、木版画と多岐にわたる作品を手掛けた夢二ですが、グラフィックデザイナーとしても活動し、数多くの図案を残していたことはあまり知られていません。とりわけ、夢二自身がハンドレタリングで生み出した文字は、これまでほとんど顧みられることがなかったと言えるでしょう。そんな夢二の知られざる側面に光を当てるのが、『竹久夢二 描き文字のデザイン ―大正ロマンのハンドレタリング』。ポスター、書籍装丁、雑誌・楽譜表紙絵などの図案における、夢二がハンドレタリングで表現した文字を紹介する展覧会です。
それにしても驚かされるのは、バリエーションの豊富さ。セノオ楽譜「白鳥」の表紙におけるロシア構成主義的な文字、『童謡 凧』のためのシュルレアリスム芸術を彷彿とさせる図案、あるいは銀座千疋屋の月刊誌『fruits』のミッドセンチュリーデザインを遥かに先取りしたかのような表紙など、そのほとばしるセンスにはただ圧倒されるしかありません。と同時に、日常に溢れすぎてスルーしがちな文字をめぐるデザインの奥深さに、改めて気づかせてくれるきっかけにもなりそうです。
コンピューターでの制作とは異なる、描き文字ならではの魅力に迫ります。(上)『童謡 凧』のための図案 1926年頃、(下)『fruits』NOV. 1929年銀座千疋屋の月刊誌
竹久夢二 描き文字のデザイン ―大正ロマンのハンドレタリング―
期間_2023年4月1日(土)~6月25日(日)
開館時間_10:00~17:00(入館は16:30まで)
場所_竹久夢二美術館(東京都文京区弥生2-4-2)
休館日_月曜日
https://www.yayoi-yumeji-museum.jp/yumeji/exhibition/now.html
ならば、着て行きたいのはこちらのブラウス。一見するとシックな佇まいのスタンドカラーシャツですが、近づいて目を凝らすと、生地にはアクアスキュータムの頭文字”A”を、ジオメトリックに刺繍したオリジナルレースがあしらわれているからです。しかも、このAは単なる意匠には留まりません。ふんだんに刺繍を施すことで、柔らかいコットン生地にハリ感をもたらし、体のラインを拾わないデザインを実現しているのです。どこか夢二の描いた時代の洋服を思わせるレトロで上品な雰囲気を漂わせてもいるので、この展覧会との相性はぴったりではないでしょうか。
涼しげかつストレスフリーなディテール
刺繍のAの中央には、”穴”をデザイン。これからの季節にぴったりな、涼しげな雰囲気を演出してくれます。また、ボタン部分とサイドのスリットに使用したワイドなサテンテープが、デザインにメリハリをもたらしているのもポイント。
背中にはタックがあるので、動きやすさと身幅のゆとりがあり、ストレスなく着用可能。ホワイトのほかにネイビーも。
Aロゴレース ショート丈シャツ [5003220040-91] ¥42,900
※画像はイメージです。実際の商品とはデザイン・仕様が一部異なる場合がございます