今月のイベント何着て行く？
WHITE LABEL_APRIL編

　ウェス・アンダーソン映画の世界の住人になりたい。映画好きなら、誰もが一度はそんな夢を抱いたことがあるのではないでしょうか。洋菓子のように愛くるしい建物を左右対称の構図で映したそのパステルカラーの世界観は、それほどまでに魅力的です。しかし、そんな風景はフィクションの中でしかお目にかかれないと諦めるのはまだ早いかも……と思わせてくれるのが、『ウェス・アンダーソンすぎる風景展 あなたのまわりは旅のヒントにあふれている』。ウェス映画を彷彿とさせる実在の風景写真だけを集めた展覧会です。

　そもそものきっかけは、2017年にアメリカで暮らすワリー&アマンダ夫婦が、旅先でウェス映画的な風景をたまたま撮影したことでした。「AWA（Accidentally Wes Andersonの略称）」なるインスタグラムアカウントを開設した夫婦が、その写真を投稿するとたちまち人気が爆発。「冒険者」と呼ばれる世界各国のフォロワーたちも同じような写真を提供するまでに発展し、今や170万人以上のフォロワーを抱える巨大コミュニティに。本展ではかくして集められた写真の中から300点を厳選し、旅にまつわる10のキーワードに分けて展示。まるでウェス映画の中でバカンスを過ごしたような、ワクワク気分が味わえます。

　ならば、着ていく服もワクワクできるものがいい。例えば、ウェス映画の空のような鮮やかなブルーが目を引く、このワンピースなんていかがでしょう。スカラップレースの大柄模様や、随所にふんだんに寄せたギャザーなど、心ときめくフェミニンなデザインが特徴です。素材はシャツなどに使われる細番手の糸を使用した高品質のコットンローン。なめらかな肌触りとほどよい透け感が出るので、バカンス気分をさらに高揚させてくれるはず。展示後、映画の登場人物になったつもりで街をお散歩すれば、日常に潜むウェス映画のような風景に巡り会えるかもしれません。

　レースを裁断するのではなく、スカラップレースの刺繍で処理した裾始末は、フェミニンな印象を残しています。そして、スカラップレースの間には、Aquascutumのエンブロイダリーを。

　丈は長めでゆったりめ。しかし、高い位置に切り返しがあるので、カジュアル過ぎず女性らしいラインを見せることができます。バックのネック部分は、長い紐で作れるリボンとギャザーを寄せ、後ろ姿にも清々しさを演出。アームは広めなフレンチスリーブなので、ほどよく上品に肌を見せられ、これもまたバカンス気分を盛り上げてくれます。写真のブルー以外に、ブラックも。