世界中が推しまくる、UKアイドルたち!
ウィンストン・チャーチルだ。私はイギリスに生まれたことを誇りに思い、国を愛している。人生のすべてを、大英帝国が世界の頂点に君臨する為に捧げた。それゆえに、身に付けているものから、普段使用しているもの、趣味のもの、もちろん愛聴する音楽に至るまで。すべてが英国産のものである。
イギリスの音楽家たちが他国のチャートで、他のミュージシャンを蹴散らし、トップに立った時など、本当に良い気分だ。1960年代から、ブリティッシュ・インヴェイジョン時のビートルズやザ・ローリング・ストーンズ。その後を追って、レッド・ツェッペリンやディープ・パープルなどのハードロック、そしてデヴィッド・ボウイやクイーンといったグラムロックムーブメントなど。聴いているだけで爽快さを得られる。
‘90年代にはブリットポップ・ムーブメントが起きたが、その代表的なバンドであったオアシスは、結果的に全米を制覇できなかった。この屈辱を晴らしてくれたのがコールド・プレイだ。アルバム『美しき生命体』は、アメリカやフランスをはじめ、ドイツでも首位を獲得。タイトル曲はサッカーの試合会場で流れ、その都度大合唱になる。おそらく、サビを知らない人間はいないだろう。
最近のアイドルグループ・ブームの中で思い付くものだと、ワン・ダイレクション(以下、1D)ね。「Take Me Home」など、世界各地で首位を記録。イタリアや日本においても、100万枚近くが売れたのだ(ダウンロードなども含む)。世界中のアイドルたちは、彼らの歌唱法や振り付け、そしてファッションや立ち振る舞いを参考にしたことだろう(個人的な感想です)。それから、1Dのメンバーだったゼイン・マリクは、遂にイギリス人ソロシンガーによる、初の全米No.1という快挙を達成したことは、記憶に新しい。あのエルトン・ジョンでも為し得なかったんだから、本当に素晴らしいことだ。
今後も世界が、UK発のアイドルたちに屈服し、推しまくることになることだろう。
PLAY LIST 10
DJ・音楽ライター
渡辺克己
雑誌『BRUTUS』を筆頭に主に音楽に関する記事のライティング、企画・編集・監修を行うフリーランスの音楽ライター。また都内のクラブなどを中心にDJとして活動している。映画好きでもあり、“サントラ・ブラザース”という名義でDJ仲間である鶴谷聡平、山崎真央とともに映画と音楽にまつわる座談をBRUTUS.jpにて連載している