vol.08
“DJ マーク・レントン”

Text & Music selection: Katsumi Watanabe
Illustration: Terry Johnson
Plan & Edit: On-Point Design

トレンチコートが似合う歴史上の人物、映画の主人公がDJだったら何を選曲するのか!? そんなもしも企画が「なりきりDJアカス」。&AQが招いたDJアカスが毎回さまざまな人物になりきって、自己紹介とともに独自のプレイリストをお届け。第8回目の今回は、映画『トレインスポッティング』の主人公、ユアン・マクレガー演じるマーク・レントンにアカスがなりきります!

ワークアウトのトラックリストって以外に、意味なんてないんだからね!

 やあ、こんにちは! マーク・レントンだ。

 しばらくオランダに住んでいたんだけど、いつ起こるかわからないトラブルに備え、身体を鍛えるようになったんだよね。最初はジムでのワークアウトやスイミング、ランニングって程度だったんだけど、筋肉がついていくと楽しくなってきちゃってさ。今回はトレーニングの時、よく聴いていた曲を紹介しようかな。身体を動かす時は、昔から聴き馴染みのある曲の方が、どういうワケか調子が良いんだよね。筋肉細胞が喜ぶというのかな。よくジムで一緒になったアードルフなんかは、20分以上連続で身体を動かすと有酸素運動の効果が得られるという説を信じて、ハードなテクノやトランスのノンストップ・ミックスを聴いたんだけど。オレは一聴しただけでドーパミンがマシマシになり、無理めなバーベルさえ、思わずあげられちゃうような曲が好きなんだ。ハッキリ言うけど、運動して得られるドーパミンは、変な薬の何十倍も快楽的で、信じられないような多幸感が得られる、素晴らしい経験なんだ。きっと世界中のマッスルマニアの多くも、ドーパミンジャンキーなんじゃないかと思うよ。

 トレーニングにどハマりする中、オレは生まれて初めてヴィレッジ・ピープルの素晴らしさに気がついた。メンバーはみんな骨太なアメリカンスタイルのマッチョだし、音楽もノリノリで最高。ディスコ的な流れでいうとボーイズ・タウン・ギャングもいいな。それから、ワークアウト仲間のアルベルトのおかげで、スペインの人の魅力にも気がついたね。彼らの筋肉は、魚介類を食べて育ったおかげなのか、しなやかで美しいんだ。リッキー・マーティンとかね、最高にハマったよ。おっと、忘れてはいけないのは80’sハードロッカーたちの細めな筋肉。ボン・ジョヴィの「It’s My Life」というサビのキャッチーなこと……もう最高だよねぇ~。

 年末年始の休みで運動不足になりがちだけど、このプレイリストを聴きながらワークアウトしてくれよな! じゃあ、またな!

PLAY LIST 8

DJ・音楽ライター

渡辺克己

雑誌『BRUTUS』を筆頭に主に音楽に関する記事のライティング、企画・編集・監修を行うフリーランスの音楽ライター。また都内のクラブなどを中心にDJとして活動している。映画好きでもあり、“サントラ・ブラザース”という名義でDJ仲間である鶴谷聡平、山崎真央とともに映画と音楽にまつわる座談をBRUTUS.jpにて連載している

『トレインスポッティング』

Blu-ray 1,980円(税込)

発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

CONTINUE